大阪芸大×舞洲プロジェクト~2019年度デザインプロジェクト最終報告

大阪芸術大学(大阪府南河内郡)が取り組んでいるデザインプロジェクトは、芸術学部デザイン学科の科目のひとつです。これは同学科にある様々なコースの壁を取り払い、複数の学生が共同で、地域や企業といった産官とコラボレートしてものづくりに挑戦するというもので、複数のプロジェクトが存在していますが、そのうちの1つは舞洲プロジェクトとのコラボレートで行われています。

この授業を担当しているのは宮本知教授(大阪芸術大学芸術学部デザイン学科)。2019年10月に中間発表が行われましたが(その時の模様はこちら)、2020年1月24日(金)に年度終了を受けて、最終発表が行われました。

 

 

学生たちが1年間かけて考えた個別の提案を、実際の舞洲の地図の中に落とし込みながら、舞洲の新たな全体像を提案するという、非常に興味深い内容にでした。
当日参加した舞洲プロジェクトのメンバーは大阪市経済戦略局スポーツ部スポーツ課スポーツ事業担当課長代理・榎木谷達人氏、同課係長・河合克俊氏、大阪エヴェッサ顧問・上原光徳氏、城秀樹氏、オリックス・バファローズ・濵田安耶香氏、セレッソ大阪・長谷川顕氏の6名。
10月に発表された個別の提案を受けて、それを具体的な形にした舞洲の未来図が示されました。
今回は「大阪芸大生が考えた、舞洲の未来図」をご紹介します。

 

最初に発表されたのは「舞洲とはどんな場所か」というテーマに対する回答でした。
舞洲のあり様と役割についての構想をまとめるという、宮本教授から提示されたテーマに対しての回答です。そこで学生は舞洲のテーマは
「舞洲は、スポーツテーマパーク型リゾートとしてあるべきである」
と定義づけました。

これを踏まえて、構想のためのタイトルづくりに着手しました。そこで挙がったタイトルは以下の通りです。
・体にうれしいWonderland
・Sports Sanctuary
・Mysimuscle(マイシマッスル)
・MycM’asl
これを基に議論を重ね、決定したタイトルは「MAISHIMAX(マイシマックス)」でした。

 

 

続けて構想(企画)を積み上げていく上でのクライテリア(規範)を決定しました。
ここでもキーワードを並べることで、具体案を一本の線上に配置するように意識したようです。採用されたキーワードは下記の通りです。
・能力を目覚めさせる
・感覚を研ぎ澄ます
・一緒に楽しむ、みんなで楽しむ
・超日常
・超遊び
・遊びの深化

 

ここまでがフレームワークです。これを基に学生が独自の専門分野を活かし、企画を練り上げていきました。
最初に取り組んだのは舞洲の施設イメージを完成させることです。どのような施設が必要で、どのような楽しみ方をするのか。それを具体的にイメージしながら、施設配置図を作成していきました。

 

最初に考えられた建物はメインゲート、そしてそれに続くコロッセウム型のシンボル施設でした。通り抜けのできる円形の建物を舞洲の中央に配置し、「人が集まれる場所」と定義づけました。この建物は、現在の此花大橋から続く道の延長線上に配置されました。そしてこの道を「MAISHIMAX STREET」と命名、舞洲の中央にあることを印象付けます。

 

 

続いて、これまでに考えられた個別の企画を実現するための施設配置を考えていきました。
新ビル施設のにはe-スポーツを楽しむための施設、舞洲南部の海沿いにはタラソテラピー(海水を使用したデトックス)の施設、そしてその東側のフェリー乗り場の近くにはポグパ(高所に網を張ったアスレチック施設)を配置しました。
こうして、大阪湾に浮かぶ舞洲の特性を活かした配置を意識した施設配置を行いました。
加えて舞洲周囲の道をサイクルロードとして整備、レンタサイクルを設置し、舞洲での「足」を確保して、舞洲をくまなく楽しんでもらおうという企画も披露されました。

 

施設配置図

今回のプレゼンテーションは、全て学生たちによって行われました。全てのプレゼンテーションを終えた後、大阪市の榎木谷氏からはねぎらいの言葉とともにプレゼンテーションを行う際の注意事項など、今後、デザインや企画の道に進むであろう学生たちにとって有益なアドバイスが送られました。
最後に、この授業を一年間担当した宮本教授からは「拙いプレゼンだったかとは思いますが、学生自身が考え、企画し、その思いを伝えるというところまでをやり遂げた一年間でした。個々には見るべきところもあったと思います」という総括がありました。

 

それぞれの企画ごとに冊子にまとめました

 

この授業の中で誕生した企画の中には、舞洲プロジェクトメンバーが興味を示したものもあり、そう遠くない未来に実現するものも出てくるかもしれません。
舞洲プロジェクトでは、今回のような産学共同での企画にも積極的に取り組んでいきます。

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