KIDS’ ONLINE スクール 野球編 #4 吉田 正尚選手フリーバッティング

 

キッズのためのオンラインスポーツ教室「舞洲プロジェクト Presents KIDS’ ONLINE スクール」

第1弾は、オリックス・バファローズによる野球編です。

 

安達 了一(あだち・りょういち)選手(#3)、福田 周平(ふくだ・しゅうへい)選手(#4)、西野 真弘(にしの・まさひろ)選手(#5)、吉田 正尚(よしだ・まさたか)選手(#34)、中川 圭太(なかがわ・けいた)選手(#67)のバッティング練習動画について、球団OBの小川 博文(おがわ・ひろふみ)さん、塩崎 真(しおざき・まこと)さんによる解説と、両氏によるバッティングについての実技指導を掲載します。

 

連載第4回は、塩崎さんが吉田選手のフリーバッティングを解説します。

 


 

 

吉田 正尚選手(#34)バッティング

 

 

 

遠くに飛ばすときもレベルスイングを心がけて

 

吉田選手のバッティングで注目してほしいのは、「肩のラインと腰のラインの回転」です。これはバッティングの基本でもあります。

 

吉田選手は、ボールを遠くに飛ばすことにかけて、バファローズの中でも傑出した能力を持つ選手です。
そのため、吉田選手は下から上に振り上げるようなスイングをしていると思っている人も、少なからずいると思います。
あの豪快な打球を見て、そう思ってしまうのはやむを得ないかもしれません。

 

しかしこの動画を見ていただくと解りますが、吉田選手の肩のライン、そして腰のラインは「地面と平行」を保ったまま回転しています
これがあるからこそ、吉田選手はあれだけパワフルなスイングをしても、ブレることなくしっかりと球を捉え、強い力をために与えることができているのです。

 

吉田選手のパワフルなスイングの裏には、こうしたしっかりとした基本技術があることにも注目してください。

 

 

実技:正しいアッパースイングとは

 

吉田選手のパワフルなスイングを見て、真似したくなる人は大勢いると思います。
でも、勘違いして欲しくないのは、吉田選手のスイングは下から上に振り上げるアッパースイングではなく、インパクトの瞬間まではレベルスイングでバットを振っているということです。

 

 

打球を上に上げたいからといって、インパクト前から左肩が下がってしまうと、バットの軌道はボールのそれと外れてしまい、ミート率は下がってしまいます。
インパクトの瞬間までは、ボールの軌道に合わせたレベルスイングがミート率も上がります。
そのためには、ベルトのラインと肩のラインを地面と平行に保つよう心がけてください。

 

 

 

 

 

実技:グリップの位置

 

吉田選手のバッティングで次に注目してもらいたいのは、グリップの位置です。
テイクバックを大きくとるように指導される方もいますが、そうするとプロのスピードの球ではボールの見極めをより早くしなければ、振り遅れてしまう可能性があります。
吉田選手の動画をご覧になるとわかるように、テイクバックはほぼ取らずに非常にコンパクトなスイングをしています。
インパクトの直前までは、テイクバックの少ないコンパクトなレベルスイングでミート率を上げ、インパクトの後は、体幹の強さと軸の回転の速さでボールを遠くに運んでいる、非常にシンプルで効率的なバッティングといえます。

 

 

 

実技:スイングの前膝の踏ん張り

 

かつては「スイングの最後まで前膝は踏ん張りなさい」という指導がされていたこともありますが、大事なのはインパクトの瞬間にボールにしっかり力を伝えるいうことです。
インパクトの後は、体の回転とともに膝が回っていても構いません。

 

塩崎 真(しおざき・まこと)

オリックス・バファローズ ジュニアチーム監督。
1973年生まれ、熊本県八代市出身。

選手歴
熊本県立熊本工業高等学校-東洋大学(中退)-新日本製鐵広畑-オリックス・ブルーウェーブ/オリックス・バファローズ (1997 – 2010)
コーチ歴
オリックス・バファローズ (2011 – 2016)

堅守巧打の内野手として活躍。プロ1年目から100試合出場を記録するなど、当初からその能力は高く評価されていた。
2004年には得点圏打率が4割を超えるなど、勝負強いバッティングも特徴だった。この年には、規定打席にはわずかに届かなかったが、打率も.341と高い数字を残している。ブルーウェーブとして最後の一軍公式戦で4番に座り、「ブルーウェーブ最後の4番打者」も務めている。
プロ通算1232試合出場、820安打。

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